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  春から夏へ

新緑の準備よし(2)

林の中では突然、静寂を破るかのように

チッチッ、ジー、チッチッとシジューカラやコガラ、エナガなどの集団が周囲の小枝を飛び回る。

カメラを向けるとそこには揺れた小枝だけがのこり

背中の後ろからまたチッチッと声がする。

幼稚園の中庭の児童のように

小鳥たちは休むことを知らない。

少しの間の合唱は突然と消え

また、しばしの静寂が訪れる。

児童がお昼寝に入ったようなものだ。

山中湖の別荘群の一角に

洞の水と呼ばれる小鳥用の水飲み場がある

30cm四方位の岩のくぼみに湧き水が流れ

エナガやコガラが入っても体5分の1位の水位にも満たないところである。

小鳥たちの水浴びには絶好の条件だろう。

日本野鳥の会富士山麓支部会長の杉浦さんによると

この湧き水は数十年前から枯れることもなく、増えることもなく

湧きつづけているそうである。

この水場を観察していると、次から次と野鳥たちが訪れる。

野鳥写真家にとっては絶好の場所だろう。

しかし、カメラを向けても羽を休めない野鳥たちを撮るのは

なかなか難しいものである。タイミングを根気で捉えるしかない。

小鳥たちは、やってきては、バシャバシャバシャと水を浴び

身づくろいする間もなく飛び出してしまう。

シャッターを押すと、飛び出した時の小鳥が一部でも写っているとまだしも

水飲み場だけのことも良くある。

水飲み場の観察に飽きて、ちょっと上を見上げると

高い木の枝にキジバトが止まっている。

こちらは、小鳥と違いピクリとも動かない。

まだ若葉がほとんど無いこの季節は

野鳥観察には絶好の季節でもある。

木々の枝先には、いまや破裂しそうに膨らんだ木の芽が並び

富士北麓も春から夏への準備が始まっている。

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