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「甲山峡水」殆ど聞いたことがない名称だった。こんな題名の版画集を神保町の古書店で入手して久しい。
ひょんなことから、この名称の由来が分かった。時代を遡ること100年余、明治36年中央線の開通と明治39年共進会の開催を記念して作成された版画集が「甲山峡水」だそうだ。画家は大塚蒼湖と鈴木尚重の二人が担当。県内18ヶ所を取り上げている。今回は、その中から河口湖、精進湖、猿橋、御幸祭(2種類)を取り上げた。上はその一つ、精進湖だ。湖畔には精進ホテルが描かれている。(共進会:明治政府が殖産興業政策の一環で開催していた大規模な地域物産展、このときは1府九県連合共進会から5万点もの物産が展示された)
上は河口湖の一部、右は猿橋を描いたものだ。猿橋は、鉄道開通前の様子を描いたか、意図的に猿橋と平行して走る中央線の鉄橋を消していると思われる。明治35年10月には鳥沢と大月間が開通しているので、もし、鉄橋のない猿橋を描いていれば、それ以前の画と考えられるが、描いた時期は分からない。下は多分一宮浅間神社の御幸祭りの様子だ。多分と言うのは「国幣中社浅間神社」と説明されているが、勉強不足で「国幣中社」の意味が良く分からないのと、「御幸祭」は4月15日一宮浅間神社で行われている(山梨県の歴史)ことから推測してのことだ。明治後期の様子を伝える版画として興味深い。「甲山峡水」は県立図書館と白根桃源美術館にもあるそうです。

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