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野草の宝庫:北富士演習場
4千6百万uの広大な面積の演習場は見渡す限りススキの原野で
晴れるとその向こうにデンと富士山が構えている。本州では他に無い
雄大な景観の場所だ。上空をトビやノスリが回り、一本の高い立ち木には
カッコウが鳴く。ススキの格子の合間をコヨシキリが渡り、
丸尾石が敷き詰められた戦車道に降りては虫をついばむ。
黄色のユウスゲが終わる頃、ヤマハギが重たそうに頭を垂れ
シシウドの花が仁王立ちに咲く。オトコエシ、キオン、ノアザミ
そしてワレモコウ、花の楽園も夏から秋にバトンが渡る。
今回はそんな北富士演習場の花を追って紹介する。

上は上空から見た北富士演習場(左下で大きくカーブしている線は東富士五湖道路)

中央よりやや右下が中央の入り口で、梨ヶ原廠舎(しょうしゃ)がある。

写真では北側の一部が入らなかった。(8月はじめ頃撮影)

北富士演習場は昭和11年に旧陸軍が演習場として開設。

以来、米軍による接収、使用協定などを経て、平成13年現在自衛隊が管理している。

入会慣行から一定期間地元関係者の立入りができる。

(現在は通常日曜日に一般の立入りが出来る。)私も8月の日曜日せっせと通った。

しかし、広い広い演習場を一通り回ろうと決心した気持ちは、その都度砕かれた。

写真を撮る為に足を止めると、そこに新しい発見があるからだ。

各駅停車の演習場探索は、とても一夏では終わらない。

8月の日曜日は殆ど雨模様で、上のように遠くは霞んで見えなかった。

手前は広大なススキの原野である。道路はあるが、丸尾を整地しただけなので

雨によっていたるところが削り取られている。

主要道路でも路肩に落ちると危険な場所もある。

演習場は不発弾もあり、過去に事故も多くある。

入っても、主要道路から外れないで、不慮の事故に遭わないよう注意が必要だ。

9月に入って上のように富士が現われた。(9月2日撮影、注意書きにいたずらがされている)下は8月から9月にかけて見ることが出来た花の一部だ。

あなたも機会があったら訪れてみると良い。きっと日常と異なる新しい発見があるだろう。

ヤマハギ

演習場のいたるところにある。

ヌスビトハギに比べると全体に大きい。

ヌスビトハギは林の中に多いが、このヤマハギはとにかく目立つ所に多い。演習場だけでなく、いたる所にある。

秋の七草の一つである。

「月見草」

(メマツヨイグサ)

演習場にはオオマツヨイグサとメマツヨイグサがある。花の上に突き出しているつぼみの色が赤茶のものがオオマツヨイグサで緑のものがメマツヨイグサだと思う。

植物学的にはどうあれ両方とも「月見草」と呼びたい。

サワヒヨドリ

あまりぱっとしない花だ。

私の感想である。

湿地に咲く花だそうである。

キオン

目立つ花である。

背丈もあり、うちわを空に向けたようにして

その先に鮮やかな黄色の花が群生したようになる。

アキノタムラソウ

この写真撮影は8月12日である。

少しも「秋」でないのに名前は「アキノタムラソウ」である。

タチフウロ

可憐(かれん)な花で、草の中に紛れてしまいそうな背丈だが、花は良く目立つ。

きれいな花だ。

9月2日には、やや終わりかけていた。

写真は8月4日撮影なので、演習場から少し外れた雁の穴周辺。

コオニユリ

花と言えば「ゆり」はやはり代表格だろう。

富士山を少し上に行くとクルマユリが見られるが、これはコオニユリで、どこにでもあるゆりのようである。

しかし、演習場の中で、緑や黄色の中にこれを見つけると、「あった」と言う感じになる。

ノアザミ

この花の蜜はおいしいのか、いつも蜂がいる。富士アザミは馬鹿でかくてびっくりする大きさだが、こちらのアザミはかわいらしい大きさである。

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