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 2013年3月   富 士 の 笠 雲

                  
撮りためている富士山の雲の写真から笠雲を紹介します
            過去に掲載したことがあるかもしれません。ご了承を
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今月3月、忍野村内野から山中湖からは雲で隠れて見えなかったので急いで移動して撮った朝の笠雲です。

かさ雲のカサの字は傘と記載していましたが笠の方が適当だったようなので、今後本サイトでは笠雲と記載します。
ところで、富士山に笠雲が出ると雨になると言い伝えられています。
実際、雨が近いと笠雲がでます。
しかし、笠雲にも種類があって、晴れになる笠雲もあるようです。
富士河口湖町の船津に気象庁の有人河口湖測候所があった頃、そこの測候所長の細田氏が調べてまとめた「富士北麓のことわざと気象」(平成2年11月出版)で詳しく説明しています。
それによると、笠雲が出た当日、または翌日雨の出現率は平均72%だったそうです。笠雲が出ても3割は晴れになる笠雲だと言えます。
細田氏の著作には「笠雲の分類」として20種類の笠雲が紹介されています。その中で、冬の「はなれ笠雲」と夏の「まえかけ笠雲」など5種類が晴れの笠雲、残りが雨の笠雲となっています。

上の笠雲は今月13日朝の笠雲で、14日は雨になりました。
「ひさし笠雲」と呼ばれる笠雲ではないかと思います。この笠雲は時間を追って富士山にかぶさり、夕方には富士山をまるごと覆い尽くして夜になり雨となりました。

もう忘れるほど昔、多分5年以上前でしょうか、東京から帰ってそのままパインズパークで撮った笠雲です。
よく調べてみると撮影日は2008年11月29日夕方です。翌日は右の写真のように快晴でした。
(写真右2008年11月30日富士吉田)
上の笠雲は分類からすると「はなれ笠雲」となりますが、難しいですね。
昨年2012年6月20日午前、山中湖から撮った笠雲です。当日の夕方は右のような大きな笠雲になり、翌日は雨でした。
上の写真では笠が二段になっています。
たぶん「にかい笠雲」と呼ばれる笠雲でしょう。
細田氏の説明では「にかい笠雲」は全年雨になるそうです。
(写真右:2012年6月20日夕方富士吉田市)
2010年11月18日鳴沢村から撮った夕方の笠雲です。
冬の「ふきだし笠雲」と呼ばれ、晴れの笠雲です。
翌日19日は冬晴れでした。
昨年2012年10月11日、鳴沢村から撮ったお団子が乗ったような笠雲です。
その少しあと笠雲は右のように変わりました。
これは細田氏の分類では「みだれ笠雲」かと思います。晴れの笠雲になっています。

実際、この後も笠雲は激しく変化します。
夕方富士山が雲で見えなくなり12日雲は多く富士山見える度は1でしたが、雨にはならず、晴でした。
(写真右:2012年10月11日上の写真の少し後、富士吉田市上吉田)
2012年2月10日、やはり鳴沢村から「はなれ笠雲」です。
晴れの笠雲と説明されている通り、翌11日は晴れでした。
富士の笠雲もこのようにして見てくると面白いですね。

富士山の雲については河口湖測候所が昭和8年から昭和27年にかけて調査し基本の雲形を作成したそうです。このことについて伊藤堅吉氏が昭和27年「船津今昔物語」と昭和57年「河口湖畔の俗信」で観天望気として詳しく解説しているとのことです。

観天望気(かんてんぼうき):自然現象から天気予報をすること。

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