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富士の楽しみ 雪形 その1

  農鳥、農男、農牛、舞鶴・・
   富士に現れる雪形を発見しよう!
「農鳥」初夏、田に水を引く頃になると現れる。(富士吉田市から撮影、2007年6月)
富士北麓の田んぼに水が引かれる頃になると、冬化粧をした富士の地肌が徐々に見えてくる。
地元の人々は、こんな富士山の雪の変化を見て、「そろそろ田植えの頃だ」とか、「今年も農鳥が出たから豊作だ」などと農作業の目安としてきたそうだ。
この「農鳥」のように残雪の形を動物などに見立てて呼ぶ風習は古くからあったが、現在この残雪の形を「雪形」(ゆきがた)と呼んでいる。「雪形」は雪の多い地方の山では一般に見ることができ、それぞれ富士の「農鳥」のようにその地方の季節を知らせる目安となっているが、現在は農事よりも、その形を楽しむ季節の風物詩となっている。
富士北麓でも「農鳥」は季節の代表的な風物の一つとして親しまれ、毎年、その時期になると新聞紙面に紹介されたり、人々の間で「今年も農鳥が来た」と話題になったりしている。
ところで、富士の雪形だが、過去の話題を拾ってみると、農鳥以外にも色々な形が報告されている。富士吉田市方面から見た農牛、登り竜、鳴沢村の農爺などである。
また、昔、葛飾北斎は富嶽百景で「甲斐の濃男」を絵に残している。
そこで、農鳥が現れる様子を追いかけて、その変化を調べてみた。また、あらためてその他の富士の雪形を実際に探してみた。その結果、富士の雪形にも色々なものがあり、春から夏にかけて楽しめる季節の風物であることが分かった。
農鳥は富士吉田市から見ると富士山の八合目右側あたりにほぼ毎年現れる代表的雪形だ。その年によって形が良かったり悪かったりする。また、早春には鳳凰の形になったり、初夏にはひよこやたまごの形になったり、さらに、時期によっては牛の形になったりする。

地元で農鳥と呼ぶのは鳥の形がはっきりと現れたときで、丁度田に水を張る時期に良く現れることから農作業を始めることを知らせてくれる鳥として親しまれている。

鳳凰の形になるのは真冬の積雪が偏西風に飛ばされ、富士の斜面の雪が薄くなり溶岩流のガサガサした地肌が浮き出してくる頃だ。この溶岩流の流れが鳳凰の羽のように見える時の雪形で農鳥と同じ場所である。ひよこやたまご型は農鳥の形から雪がさらに融けてわずかにぽつんと残った雪形だ。牛の形は、農鳥の形になる直前に見ることができる。これらの変化は、雪の降り方や融け方によって変わるので、一定ではないが、概ね真冬の真っ白な富士山から初夏の雪がなくなる間に見ることができる。

写真でその変化を追ってみた。

姿を見せぬ農鳥

真冬、真っ白な雪が山頂を覆う。偏西風で飛ばされた雪が雲になる。この頃は農鳥もほとんど姿を現さない。

鳳凰(その1) 

真冬、偏西風で雪が飛ばされると、うっすらと地肌が現れる。このようなときに大きな鳥「鳳凰」が姿を現す。

この後も雪が降ると「鳳凰」は消え、雪が飛ばされると現れる場合がある。
左 鳳凰が現れた富士山

右 鳳凰の部分拡大

2004年2月

富士の雪形を楽しもう2恐竜発見・・・雪形ですけどね

こちらの雪形もどうぞ→北斎も描いた富士の雪形「火の玉小僧」「農爺」富士北麓の雪形

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