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のんびり散策北麓路:吉田口登山道

吉田口登山道浅間神社から馬返し

(5)泉水入り口〜馬返し

中の茶屋

泉水入り口に戻ろう。再び登山道を富士山に向かって進む。300mで三叉路になる。まっすぐが吉田口登山道、右が富士北麓公園の案内がある。ここは曲がらず、さらに1kmで中の茶屋に着く。中の茶屋は名前の通り街道にあった茶屋の1つだ。5合目以上の山小屋を除いて吉田口登山道に現在もある唯一の茶屋だ。近年閉鎖されていたが数年前に新築し営業が再開された。鉄道が通る前、街道には旅行者の宿となる「宿」と小休憩の「茶屋」が要所にあった。富士道には大月から見ると大月、谷村、小沼(現在の西桂)、上吉田、中の茶屋、そしてこの後大石茶屋と続く。上吉田を出て丁度小休止したい場所にあるのが中の茶屋だったろう。現在でも浅間神社から歩くと丁度小休止したい場所である。また、ここからは吉田胎内洞穴に向かう分岐点にもなっている。昔(明治、大正、昭和のはじめ)は「遊侠」と呼ばれ、富士桜を眺めながら宴会が頻繁に行われた場所でもある。現在も5月の連休初日には富士桜祭り(写真右:富士桜を楽しむ家族連れ)が行われる。中の茶屋では平成15年現在蕎麦の定食があり、ゆったりとした昔ながらの風情ある店舗で食事ができる。茶屋の周辺には富士講の登拝記念を祝った多くの石碑がある。(下写真)これらの多くは江戸時代から大正時代のものが多いためか古いものは文字が読めなくなっている。平成15年現在、中の茶屋は5本の道路の分岐路となっている。そのうち富士山に向かって平行して二本の道路が延びている。左の道路が本来の登山道で右の未舗装の道路はかって富士山自動車の道路だった。富士山に向かって右後方斜めに入る道が吉田胎内への側道だ。左にゲートのある舗装道路が延びている。これは、滝沢林道で北富士演習場の上を通り、5合目の佐藤小屋前に通じているが4合目前後に再びゲートがあり車はそこまでしか入れない。冬は中の茶屋の場所で通行止めとなる。

中の茶屋は中の茶屋溶岩流の上にあり、吉田胎内に向かうとすぐに小さな沢を越す。吉田胎内に向かうとすぐに道が分岐し、右側の道路は富士山と反対に下ってしまう。左に進むと下草がきれいに刈り取られたカラマツ林に入る。道端にはオシダが姿を見せ、富士山麓に入ったと強く感じさせる。カラマツ林に入ると春ゼミの声は消え、シジュウカラ、センダイムシクイなど野鳥の声が良く聞こえるようになる。吉田胎内への道は緩やかな下りでおよそ300mで再び左右に分岐する。案内板があるので迷うことはないと思うが、今度は左に入る。右に入ると北麓公園の上に出る。左に入り道なりに進むと二本の沢を越えて吉田胎内につく。ちょっと分かりづらい道だがところどころに道路標識があるので注意して進もう。吉田胎内近くの沢は大きく、道路は平坦でないので登山靴やウォーキングシューズなどが必要だ。吉田胎内から北麓公園へはすぐ近くだが溶岩の上を歩き、道路もあるようなないような道になるのであらかじめ道順や服装など準備をした上で向かう必要がある。市販の地図には出ていないので瑞穂通信2001年7月号を参考にしてほしい。

石屋の寝床

中の茶屋から旧富士山自動車の道路(富士山に向かって右側未舗装道路)を富士山に向かって200mぐらい進むと右に分岐があり、角に「石屋の寝床」と案内板がある。「石屋の寝床」はここから右奥に1200m入ったところにある小さな洞穴だが、江戸時代浅間神社改修作業の際に周辺から石を切り出した場所で、石屋職人がこの洞穴で寝起きしたところから「石屋の寝床」と呼ばれている。途中の道は整備が良くないが横にそれなければ迷うことはないと思う。「石屋の寝床」の洞穴の上に富士吉田市教育委員会の説明板がある。案内板の脇から下に下りると洞穴が見えるが、こんな場所で寝泊りしたのかと思えるぐらい小さな洞穴だ。ミソサザエのものと思える巣が天井部にあった。もと来た道を戻り吉田口登山道に戻ろう。

中の茶屋から大石茶屋

「石屋の寝床」入り口まで戻り、再び吉田口登山道を富士山に向かう。舗装した登山道と舗装してない登山道が平行して富士山に向かっている。舗装した登山道が正規の登山道だが車が通るので未舗装の道を登るのも良い。両方の登山道の両側は赤松の林で、根元にはススキの大きな株がいっぱいだ。刈り取られていないと人の背丈以上のススキで道をそれることはできない。ススキの間には富士桜が顔を出し、道端にはイタドリが大きな葉を広げている。このあたりでは野鳥のカラ類の鳴き声が良く聞こえる。季節によってウソとかキジなどの鳴き声も聞こえるが姿を良く見るのは比較的近くの枝を飛び回るシジュウカラ、エナガ、エガラなどカラ類だ。最近はカラスも良く見る。センダイムシクイの鳴き声も多いが高い梢の上で鳴くので姿はなかなか見ることができない。「石屋の寝床」分岐から700m程度で林道富士線との四つ角になる。右に入るとスバルライン1合目の下を抜けて河口の創造の森へ通じる。左は滝沢林道の途中に出る。ここは、まっすぐ富士山に向かう。このあたりから勾配がやや急になる。旧富士山自動車道は整備されていないので通行が難しくなるので舗装道路を登る。(平成15年7月現在旧富士山自動車道は柵がされて通行止めになっている)ススキは姿を消し、落葉樹の低木が増える。富士林道から1.4kmで大石茶屋跡につく。道路右に崩れた小屋跡がある。その横には富士講の石碑が並ぶ。小屋跡の道路反対側は丸太の囲いがある草原につつじがポツリポツリと見える。大正時代から昭和のはじめまでレンゲツツジの群生地だった場所だ。盗掘などによって今は見る影もない。丸太の囲いは盗掘などを防ぎ、レンゲツツジの復活をはかるための防護柵だ。花の咲く6月頃には淡いピンクのレンゲツツジを柵越しだが楽しむことができる。

大石茶屋を出発してさらに先へ1.3km進む。ところどころで道路脇が陥没している場合もあり、夜間は注意が必要だ。途中分岐があるが舗装道路を進む。傾斜が急になり、S字が激しくなると馬返しはすぐだ。急に上空が開けた広場に出る。左手奥に鳥居や石碑が見える。わずかに山頂が顔をだす。馬返しだ。
次回は馬返しから案内する。

○01富士吉田駅→金鳥居 ○02金鳥居→はなや ○03はなや→浅間神社 ○04浅間神社→泉水 ○05泉水→馬返し 
                                                                    
(本文)
○06馬返し→鈴原神社 ○07鈴原神社→五合目 ○08五合目→六合目 ○09七合目 ○10八合目→山頂
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